「切れない絆」
2025/04/01

施工部主任 彦坂隆次
この冬は、強い寒気の影響で例年と比べると、北日本のみならず各地で降雪量も多く厳しい寒さとなり、暖房機器に掛かる光熱費も高くなり、冬野菜をも高騰し、大変な季節になりました。
4月に入り、さわやかな春の風に誘われて外に出るのも気持ちの良い季節となり、本当にうれしく思います。
今回、私は「切れない絆」についてお話をさせていただきます。人との絆は、強いように見えてはかないものです。時の流れ、ささいな誤解、病気や事故・・・・。
なにげない事が原因で、それまで続いてきたお互いの絆が、いつの間にか消えてしまう事もありえます。あの日の笑顔、そして優しい声をいつかは聞けなくなるんだと考えると、今を大切にすることで悔いのない時間を送っていきたいと思います。そんな私には、3月で92歳になった母親がいます。生きる為に働き続け歳を重ね、ついには、認知障害で子供である私の名前や顔が誰かわからなくなる事も起こってきています。親の現実を認めるのは、子供にとっては辛い事ですが、その現実を受け入れ、どのような状況下でも大切な親を見捨てるわけにはいきません。ケアハウスに入所している母親をお見舞いに行った時、別れ際に私の手を強く握り返し「ありがとう」、「まだ帰らないで」、「家に連れて帰って」と言われた時には、辛くて言葉になりませんでした。認知症の母親の言葉は、深い霧の中に置かれている病状と心情なのかもしれません。
私も歳を重ねましたが、いくつになっても子供の健康と幸せを、何よりも願い喜んでいてくれていたのは、産み育ててくれた両親です。「無償の愛」という言葉の通り両親というのは、子供の事を自分の事よりも大切に思っているものです。親孝行らしい事は出来ていないかもしれません。自分の事を大切に思ってくれた人に、感謝と恩返しの気持ちを持って会いに行く事で、絆は強くなっていくと信じています。お母さん、いつまでも長生きして下さい。見守っています。
結びに、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。皆様が穏やかな春をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます。
令和7年4月1日
施工部主任 彦坂隆次

ソメイヨシノ
(浜松市フラワーパーク)

松川電氣寄贈の桜
(浜松市フラワーパーク)

チューリップ
(浜松市フラワーパーク)